現在、小学校1年生から大人のかたまで、いろいろな生徒さんと勉強をさせていただいていますが、英語の勉強を始めたばかりのお子さんと話していると、「いやほんと、子供は鋭い」と思うことしきりです。
先日、中学校1年生の男子からの質問。「”this”は『これ』、”that”は『あれ』という意味だということはわかる。が、どこからが”that”で、どこまでが”this”なのか?」…そうだよね。この二つの指示代名詞*について、その境界線を説明されたことは皆さんもないのでは?^^)
さっそく、手元にある辞書や文法書いろいろに当たりました。大体のものは「this=近くにあるもの」「that=遠くにあるもの」で済ませていますが、Oxfordの英英辞書には「他のものと比較して」近くにあるものがthisという説明になっていまして、これは良心的。
さらに良心的な定義をとある文法書から見つけました。「指示語であるthisとthatは状況によって指すものが違ってくるが、おおむね、
- thisは、物理的つまり距離や時間という意味で、もしくは心理的な意味で
話し手に「近い」 - thatは上記の反対
ということなのだそうです。簡単に「これ」「あれ」で済ませず、話し手との距離(見える距離・見えない距離)で決まってくると考えたら良さそうですね。
ちなみに、中学1年生の彼にご納得いただいた説明は「自分の腕を伸ばして、さわることができる範囲まではthis」…いかがでしょうか?物理的な距離という意味では「人差し指で指せる」範囲までがthis, ではないかと思います。
もっとも、この生徒さん、身長に比して腕が長い男の子なので、「俺、腕が長いからなー」とのたまわっていましたが…^^)